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梅雨色の涼亭で、大人のワイン時間

  • 執筆者の写真: Karin Yoshimura
    Karin Yoshimura
  • 7月14日
  • 読了時間: 5分

更新日:5 日前



7月12日の土曜日、清澄庭園内の涼亭でオーナー主催のワイン会を開催しました。


涼亭は、明治42年に英国元帥の接待のため岩崎久弥が建てた数寄屋造りの水辺の茶室。 庭園内の池に迫り出し、「余白にこそ粋がある」そんな重要建築物です。


2月のイタリアワイン会の時、主催のSABOさんから、「庭園でワインやりましょ」と声をかけてもらってから、数ヶ月温めていた企画。その時はシンプルに日本庭園内の池に建つ静謐な建物で、自分のイベントが本当にできるのが夢のようで、準備期間はワクワクと夏のワインについて考えてました。





ドタバタの中での準備 ─ ワインリストは天気予報次第



ところが、いざ準備が始まり、具体的に進み始めるなか、いろいろな課題が噴出💦


涼亭は庭園内なので、庭園のエントランスから建物までどうやってワインを運ぶか、当たり前だけど、夏の温度変化の影響を極力減らすための氷や保存容器も用意しないといけない。でもそんな重量の嵩むものをどうやって入り口から運ぶ??


ワインは温度管理が重要。自宅のソフトクーラーボックスだと冷却に弱いので、ハードのクーラーボックスも買い直し。庭園の受付を通ったら出入りはできないだろうから、庭園内の砂利道を一発で資材運びが完了するよう、キャンプ用のアウトドアカートも購入。


そして、建物は重要文化物なので、畳を汚すことはNGのため、色が強い食べ物・飲み物は禁止ということで、泡、白、オレンジ、ロゼでセレクトしないといけない。


そして、もう一つの大きな課題が天気😣


室内は冷房管理されているのでまだ安心だったけど、梅雨の季節に水辺でワインを配るにしても、晴天と曇天では、飲みたくなる味もテクスチャーも変わるはず。直前まで天候が読めなくて、ワインリストは前日までかなり悩みました。


前日まで、梅雨の曇り空。天気予報とにらめっこをしながら決めたワインリストは、湿度による影響も考えて、香り高く、爽やかで軽やかさを持つワインをセレクト。


活き活きとした泡から旨みの強いペットナット、酸は高すぎず緩やかで伸びのある、曇り空にも馴染む白、ちょっと重心低めなオレンジやチャーミングで軽やかなロゼ。



涼亭という和の空間だからこそ、主張の強過ぎないラインナップを意識してみました。



実は、前回のイベント(ミャンマー料理とのコラボ)のあと、このイベントを考えるにあたり、「ワイン選びの軸足を変える必要があるな」と思っていました。お食事にスタイルがあるものは、一つ一つのディッシュに合うものを考えたけど、今回お食事は皆さんが好きな軽食を持ってくる形式。


単に「美味しかったね」ではなく、「このシーンとこのワインがあることで、ここで過ごす時間がどれだけ記憶に残るか」 この粋を極めたこの建築物への敬意を込めて、自分の想像力をフル稼働。その時だけのワインによる演出は、考えるだけでもなかなか楽しかったです。

(考えすぎてハゲそうになったので、マイボトルの Edel / ローラン・バーンワルトを抜栓しちゃったけど。笑)



涼亭の空間に身を置く喜び


当日は、朝10:00に涼亭に着き、改めて涼亭を池の向こうから拝観。曇り空ながら、庭園に溶け込む、主張を抑えた佇まい、中に入ると三方の窓越しに見る180度の借景は、禅の心の開放を感じる素晴らしい景色。



深い軒の下の光と影、木の質感、池から反射する淡い自然光。その瞬間、「ああ、ここでワインを配れるんだ」という実感がじわじわ湧いてきて、始まる前から興奮しまくり。曇り空だから、ジリジリの夏日とは違って、軒下でもワインを緩やかに楽しめるぐらいの心地よい気候。


イベント前のドタバタも不安も、全部が「大丈夫」という感覚に変わりました。


その空間の美しさに身を置いて、自分が選んだワインをお客さんに提供する。そして、その場所と時間を、一緒に楽しんでくれる人たちがいる。


参加してくれたのは、いとこ、ご近所さん、幼馴染みやお友達、そしてSABOさんのご友人たち。世代も背景も異なるみんなが、ワインをきっかけに語らう。ワインを褒めてくれる。「こんなワインもあるんだ」と新しい発見を一緒にする。



酔いたいわけじゃなくて、ほぐれたい。選択肢が多すぎて、選ぶものが多い世の中で、「確かに選ばれたワイン」を通して、少しだけ世界をシンプルに見つめたり、気の置けない仲間達と趣味や近況を語らう時間。そういう時間や空間を、CABINET. として提供していきたいなと感じました。



「大人のための場所」を、ゆっくり形にしていく


涼亭での時間を通じて、見えてきたこと。


CABINET. は、単なるワインセレクト販売の窓口だけではなく、「大人のための場所」になれる。


拡張するワイン文化、各国の生産者たちの想い、国内生産者のワイン生産への挑戦。そういった思いを丸ごと尊重しながらも、同時に「でも、今を生きる私たちは、こう楽しむ」という緩やかな解釈を加えて、その二つを両立させる場。日本家屋の和の空間にワインを置く、みたいな、ちょっと予想外の組み合わせも、ちょっとしたイマジネーションで成立する。

 

初めてワインを飲む人も、ワインの知識がある人も、みんなが「あ、これ、気持ちいい」と空間ごと感じることができる。そういう快適さ、洗練された場を、春に向けてもっと作っていきたいな。



実は、涼亭でのイベント後から、何人か「また開催してほしい」というお声をいただくことができたので、次回は秋か春に向けて、季節の変化を体感しながら、1日通しでワインを楽しむアイデア考えています。




ワインを通じて、季節ごとに「大人のための場所」を作り続けていく。身近な大事な人たちも、まだ出会っていない誰かも、その場にいることで「今を享受できる時間」を。



7月の梅雨色の中で、私のキュレーションワインがみんなに寄り添った日に感じたことを、ここに書き留めておきます。





Special Thanks to: SABO さん、久保さん、

そして、あっこ(DOCGプロセッコ 2本の差し入れありがとう!)

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