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ほんわりとほぐれたい。CABINET. がワインを選ぶ理由

  • 執筆者の写真: Karin Yoshimura
    Karin Yoshimura
  • 5月15日
  • 読了時間: 3分

仕事終わり、家に帰って一息ついたら、最初にすることがワインを開けることだった。


疲れているから飲むのもあるんだけど、それがメインではないというか、— もう少し正確に言うと、「いつもの自分に戻りたい」から飲む、という感覚だった。一日中、誰かの期待値に合わせて思考を走らせて、ようやく自分の時間になったとき、そのままベッドに倒れこんでもいいのに、なぜかグラスを出してしまう。


それは、ワインが「異世界への入口」だったからだと、今ならわかる。



エチケットは、小さい旅の地図


ボトルを手に取ると、ラベルを見る。畑の名前、生産者の名前、描かれたイラスト、フォントの選び方。それだけで、どこか知らない土地の空気が漂ってくる。


ローヌの急斜面で育ったグルナッシュ。ジョージアの古代品種、ルカツィテリ。オーストリアの有機農家が瓶詰めしたグリューナー・フェルトリーナー。ラベルを見るだけで、頭が少

しずつ日常から離れていく。


これはアート鑑賞に近い体験だと思っている。何か正解を求めるのではなく、ただそこにあるものと対話する時間。



香りが、感情を動かす


グラスに注いで、香りを嗅いで。


アロマティックなワインは、言葉よりも先に何かを伝えてくる。白い花、ライチ、びわ、ハーブ、少しスモーキーなミネラル。なんだろうこれ、と思わせる複雑さがある一方で、「あ、なんか昔嗅いだ懐かしい匂い」と感じる親しみやすさもある。


CABINET.でセレクトするとき、香りの印象は大きな基準になっている。「飲む前からすでに楽しい」ワインを選びたいから。



ドリンカブルであること、は哲学だ


アルコール度数が低いワインは、よく「物足りない」と思われがちだけれど、それは違う。


度数を抑えながら、なおかつ複雑で、なおかつ飲み飽きない — そういうワインを作るのは、実はかなり難しい。畑での丁寧な管理、収穫タイミングの判断、醸造での介入を最小限にとどめる技術が必要になる。


スルッと入ってくる軽やかさの裏に、生産者の哲学があって、そこがまた共鳴してしまうポイント。


酔いたいんじゃなくて、ほぐれたい。そういう夜のためのワイン。



選ぶ基準を、言葉にするなら


CABINET.がセレクトするワインには、いくつか共通する軸がある。


ひとつは、ちょっと今まで飲んできたワインとは一線画す世界感があること。飲んで「どこ?」と思わせる産地の個性や品種の個性がある。


もうひとつは、チャーミングさ。難しい顔をしていない。緩やかに味わい深く、親しみやすくて、でも一辺倒じゃない。


そして、飲み続けられること。一杯で完結するじゃなくて、気がついたら二杯目に手が伸びてしまうぐらいの美味しさだったり、数日かけて味わいの変化が楽しめること


仕事終わりの一時間を、ほんの少し豊かにするためのワイン。それがCABINET.のセレクトの出発点。




昔の自分に届ける気持ちで、今日もワインを選んでる。

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