屯鶴峯でブドウを摘んだ日 ― 奈良・木谷ワインの収穫
更新日:10月2日
夏の収穫
8月18日、奈良の木谷ワインさんのブドウ収穫に参加してきました。

きっかけは、ワインフィッター同期からの KITANI WINE でのブドウ収穫ボランティアの案内でした。
以前から周りでいい評判ばかり聞く木谷さん。関西のブドウってどこで作っているのか全く想像もできなくて、好奇心が勝ってしまった。
火曜日の作業でのんびり滞在も許されず、1日弾丸往復深夜バス移動という、なかなかの強行プラン。それでも、行ってよかったと心から思える、土地やそこに根ざす人々からのエネルギーを受けて、学びの多い一日になりました。
(早朝に大和高田駅に着いたものの、集合時間まですることがなく、朝ラーとシカ探し 笑)
奈良県初のワイナリー、木谷ワイン

木谷ワインは、奈良県香芝市にある奈良県初のワイナリー。代表の木谷一登さんは奈良と大阪で自らブドウを育て、2022年に念願の醸造所を構えました。(一部、買いブドウでの生産も) 畑では銅と硫黄以外の農薬を使わず、草を生やしたまま育てて土をやわらかく保っています。醸造は野生酵母に任せ、亜硫酸も極力使いません。

小さなワイナリーですが、木谷さんはじめ、スタッフさんの細部を見つつテキパキと動かれていて、一房一房に目が届いているのが伝わってきます。
屯鶴峯の土が、ブドウを強くする
今回収穫のお手伝いをしたのは、奈良と大阪の境にある 屯鶴峯(どんづるぼう)にほど近い、羽曳野側の畑(飛鳥)です。屯鶴峯は、はるか昔の二上山の火山活動で降り積もった火山灰が固まってできた場所で、白い凝灰岩の岩肌が続いています。日当たりもよく、正直、こんな地形が大阪と奈良の間に存在していることを知らなかった。

水はけよく、養分の少ない土にブドウは根を深く張り、自分の力で水を探しにいきます。だからこそ、小さな粒にぎゅっと力が詰まるのだろうなと思います。低い棚の下に入って見上げると、色づいたデラウェアが頭上にずらりと並んでいました。粒は小ぶりでも、旨みがしっかり。
収穫は、思っていた何倍も大変
畑は隆起した岩の上にあり、畑自体も急な勾配のところにあるので、人が入って収穫するのは筋トレが続くかのような重労働。車で着いた先から、さらに斜面の細い道を登っていきます。
一般的にワイン用ぶどうは垣根仕立てで作られることが多いですが、ブドウ栽培の歴史の長いエリアだからか、ここは 棚仕立て で栽培しています。かなりコンパクトに低く作られた棚の下で、中腰での作業が続きます。
8月の日差しと湿気のなかで、想定以上の大量の汗をかきつつ、無心にブドウを摘みまくり、収穫カゴはあっという間にいっぱいに。葉の上ではカタツムリがのんびりしていて、少しだけ和みました。
摘んだブドウは醸造所へ運び、傷んだ粒を一粒ずつ取り除く選果をします。除梗機にかけ、足で踏み、タンクへ。
ブドウを収穫するだけと作業と思っていたのに、収穫された房をすぐさま冷却管理して、選果作業まで携わることができるなんて、驚喜。 未果実や傷んだぶどうを手作業でここまで手をいれるのかぁなどと、実作業を通して開眼しきり。
ワインの仕込み作業を一気通貫で目にすることができて、グラスの中の一杯がどれだけの手を経ているのかを、身体で知った一日でした。
(一粒一粒がワインの一滴になります。タンクの除菌もしっかり。)
バス旅の疲れなんて感じることもなく、作業はあっという間に終了。
(来てよかった〜。正直、奈良は体感的に遠くないかも。)
木谷ワイン - 品種の個性が、まっすぐ見えるワイン
作業のあとは、お楽しみの試飲です。
木谷ワインは奈良・大阪の自社畑のほかに各地のブドウも仕込んでいて、品種もさまざま。それでいて、どのワインにもふくよかな果実味と、品種の個性がまっすぐ見える、ピュアな味筋の美しさが共通していました。クセで驚かせるのではなく、ブドウそのものの声がすっと届く感じ。

この日は、ふだんなかなか口にできない キュベタカシ シラーと甲州 まで味わわせていただきました。
樽熟の甲州がすっきりとした味わいの中に、しつこくない樽由来のニュアンスがあってよかった。
(正直樽感あるものが好きではない私でも行けます。)
みんなでわちゃわちゃと打ち上げ。試飲会は自社ワインと思いきや、始めチェコの Jaroslav Osicka のワインが出てきたり、なんでここで出てくるのかイミフな、とにかく格式高く美味しい シャサーニュ モンラシェの横展開。(2021年、神レベルで美味しかった。木谷さんの大盤振る舞いに感謝。「いろいろ飲みたいからみんなで、」というご厚意でした。)
高砂湯で、汗まみれの身体で泣いた

楽しかった時間もあっという間。みんなの楽しそうな会話を後にしながら、行き同様、帰りも高田駅から深夜バス乗り場へ。
乗る前に汗だくの身体を銭湯で流すために早めにおいとましたのに、ウキウキ向かった高砂湯は、まさかのお休み…😱 (Google Map もしっかり確認したのに!)
閉まったシャッターの前でボーゼンとして、ちょっと本気で泣きました。
仕方なく、数キロ先の味気ないシャワーボックスで汗だけ流して、バス停に歩いて戻ったらまた汗だくになっているという夏の夜。乗り込んだバスで1日を振り返りながら爆睡していました。

さて、今回連れ帰ったのは、 奈良ワインシャインマスカット 樽熟成 2025 と K-vineyard 甲州ペティアン 2025 。
ペティアンはもう開けましたが、山梨の甲州(買いぶどう)なのに、ワインスタイルは山梨系とは一線画して、オーセンティックな安定感もありながら、ドライかつ果実味と香りが豊か。(私のピンポイント🎯)
ペティアンのカジュアルな軽やかさが心地よい一本なので、特に猫好きな方や贈り物におすすめしたいです。見かけたらぜひ買ってみてくださいね。
シャインマスカット、いつ開けよかな〜🧡
造り手の風景ごと、届けたい
畑に行くたび感じるのは、ワインは、土地と造り手の思想と、自然の循環が映し出される飲み物であるってこと。
まだ日本ワインの販売免許を取得していませんが、こうして出会った、私がおすすめしたい国内のメーカーさんによるワインがどんどん増えてきています。
気になる方は、お好みや今の気分に合わせてお選びするので、お気軽にご相談ください!(需要があれば免許取ります、取りたい!!)
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